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これ、もう20年近く前のCDプレーヤーです。
オーディオ好きな人ならたぶんご存知のマランツCD-34です。

これは現在にいたるCDの普及に大きな役割を果たしたCDプレーヤーと言ってもいいほどのプレーヤーです。

ものは小さくて「ミニコンポサイズ」
反応は遅いし、リモコンはないし、出力は中からケーブルが出ているのでこのままでは好きなケーブルに変えられないし、ヘッドフォン端子もない。
第一「ミニコンポサイズ」なのにダイキャストのシャシーとダイキャストのメカニズムを使っていて重いです。確か8キロ位あったはずです。
DAコンバーターは14ビットですが、確か片チャンネル独立使用(というかステレオ仕様のパーツをあえて片チャンだけ使い、2個搭載している)。
メカはフィリップスの有名なスイングアーム式CDM-1。

当時の定価は?59800。他の日本のメーカーの最低価格の製品とほとんど同じ価格。
でもこれは当時の戦略価格で、日本だけこの値段。海外では確か倍位の値付け。(だったはず)

当時「ゴーキュッパ」戦争なんてやっていました。
売れに売れて、製造しているベルギーの工場から航空便で次々と運ばれたそうで、赤字だったのではないかと言われたものです。

まあこれはフィリップス/マランツグループの戦略機種だったからで、日本でCDを普及させれば世界に広められるという作戦があったからではないかと思います。
実際CDは普及しましたから、成功だったと思います。

この機種をベースに海外のオーディオメーカー各社はCDプレーヤーを作ることができました。
つまりフィリップスは中味をOEM供給していたのです。

最近カーオーディオにも進出しているアメリカの某メーカーも1号機はこれに手を加えたもので、そのメーカー独特の色のイルミネーションのあるボディーで中身をくるんでいました。
音についてと値段は「聞いちゃダメ!」です。

当時CDを作るパーツは日本のメーカーとフィリップスくらいしかありませんでした。

この機種は他にCD-44、CD-54という兄弟機種(いずれも上位)があり、下位機種にCD-25というのがありました。
中味はほとんど同じで、リアパネルの作りやリンクケーブル(カセットへのダビング用だったような気がしますが定かじゃありません)、パネルのデザインなどに差がありました。
CD-25はプラスチックボディーでプラスチック製のメカでした。

そんな評判なCDプレーヤーなので、当時輸入オーディオ駆出しの私はこれを買いました。
本当に欲しい機種は高くて買えなかったというのが真相ですが。

それまで使っていたリモコン付きのソニーの「ゴッキュッパ」と比べたら、「リモコンない!」、「動きが遅い!」「機能が少ない!」などナイナイ尽くしでしたが、音を聴いて納得。
たまたま父が買った記念すべき我が家初のCDプレーヤーがCD-54だったのですが、当時CD-34と聴き比べて買ったらしく、早速「貸してみろ!」と言われた記憶があります。

いろいろあってこのCDプレーヤーは中古を合計4台買いましたが(バカですね!)、友人に譲ったり、部品取りにしたりで、数年前から、外観の程度も良い4号機だけが残っていました。

以前からウチはCDプレーヤーのストックヤード状態なので(まだまだ片手で余る台数が...)、借りたいという人にたびたび貸出ししていました。最後に友人B君に貸したあと片チャン音が出なくなってそのままになっていました。
でも今後も使う予定はないので、今回スピーカーのアンプ部分の修理の際に医院長に見てもらって修理・調整をしてもらいお嫁に行くことになり、最後のCD-34もついにさよならとなりました。

今回修理の際に交換してもらったパーツ。

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デジタルフィルターなど。

たぶんまだまだ頑張れると思うので、嫁ぎ先で気に入ってもらえるとうれしいです。