久しぶりにオーディオのお話です。
今日帰ってきてバッハのニューギニアコーヒーを入れて飲みながらCDを聴いてみたら、なぜかいつもより音がいいんです。
特になにもいじっていないのですが。
ときどきこういうことがあったりします。
原因はいくつか考えられますが、よくあるのが電気工事。
配線が新しくなって接点がきれいになると電気も効率良くなることがあったりします。
ところで通常のCDプレーヤーはトレーがディスクを迎えに出てきて飲みこみますが、ウチのはドライブメカニズムごと出てきます。
今回はウチにあるCDプレーヤーのドライブメカのお話でも。
(今回は長いです!)



今日帰ってきてバッハのニューギニアコーヒーを入れて飲みながらCDを聴いてみたら、なぜかいつもより音がいいんです。
特になにもいじっていないのですが。
ときどきこういうことがあったりします。
原因はいくつか考えられますが、よくあるのが電気工事。
配線が新しくなって接点がきれいになると電気も効率良くなることがあったりします。
ところで通常のCDプレーヤーはトレーがディスクを迎えに出てきて飲みこみますが、ウチのはドライブメカニズムごと出てきます。
今回はウチにあるCDプレーヤーのドライブメカのお話でも。
(今回は長いです!)



画像は順に3?号機、1号機、4?号機のメカニズムの写真です。
どれも同じに見えますよね~。
違いはちょっと見えているメカの成形品の色とピックアップの停止位置くらい。
実際1枚目と2枚目はほとんど同じ物で後期型に使用されているもの、3枚目は前期型に使用されているものです。
このような状態なので、ピックアップが丸見えどころかさわることさえできます。(もちろんさわってはいけません)
心得のある人ならピックアップのレンズのクリーニングも簡単にできます。(これがまた結構汚れが取れるし、音が結構変わったりします)
多くのピックアップは直線状に動くようになっていますが、これらは円弧状に動きます。
これを「スイングアーム式」といい、レコードプレーヤーのアームの動きをヒントに設計されたという、オランダのフィリップスのオリジナルです。
当時先進的な製品であるCDのピックアップに、古典となるレコードプレーヤーのアームの動きと同じ動きをするピックアップを開発するなんてシャレが効いているというか...。
この形式だと、ピックアップの位置の調整は、マグネットによって常に片方に引っ張られているので、もう片方に位置あわせのサーボをかけるだけで済みます。
直線状に動くタイプはモータなどでピックアップを動かしながら、常に両方向にサーボをかける必要が出てきます。この方式はモーターの振動の排除も問題で、リニアモーターを使ったり、ベルトドライブにしたり(これまた位置合わせの誤差に問題が出る)していました。
スイングアーム方式は、サーボをかけるポイントを減らして、位置合わせの自由度を上げたり、応答速度の向上を狙っているのだと思います。
ちなみにこのメカの場合、メカの傾きにも強いようです。おそらくアームとピックアップの2つにコイルによるサスペンションの働きがあるからだと思います。(通常のものは基本的に上下1つ)
スイングアームのタイプは全部で9種類程度はあると思いますが、途中から量産に対応するため樹脂製になったり、小型軽量化薄型化されています。
この形式で有名なのは「CDM1」という初期のもので、フレームはダイキャストでできています。
さらに初期型は「CDM0」でプレスした金属を組合せて作られていますが、こちらの方がマニアには希少価値があるようです。
これらは「振動を徹底的に排除する」という思想から開発されています。
ただしこれはメカのみに対してで「装置全体をガチガチに固める」という発想ではありません。
CDのフォーマットには信号のエラーを補正する機能がありますが、振動を排除することによって「エラー補正機能をできるだけ使わない」ようになっています。
これは元の信号をできるだけ忠実に変換し、補正されたデータをできるだけ使わないようにするという発想からです。
またレーザーのビームもほとんどがシングルビームで、大きな振動による読み取り不良には弱いのですが、スリービームに比べてかけるサーボが少なく、データ生成によるデータ補正(=データ補間:ニセの信号作り!!)も少なくなり、元の信号に一番近い形に変換するはずです。
なので、初期のCDプレーヤーの中では人気があったわけですが、音楽再生機として基本が優れているので、それがわかった人が多くいたという証明であり(雑誌の評価やクチコミを含む!?)、いまでもいい音のCDプレーヤーとして通用するのではないかと思います。
副産物として「音のいいディスクと音の悪いディスクを選り好みする」という効果もあったようです。
つまり録音の(できの)良くないディスクをかけると当然いい音がしない、録音の(できの)いいディスクをかけるととてもいい音楽を聴ける...
おそらく当時いい音だったディスクはいまでもそこそこの音質なのではないでしょうか。
今でもこれらのタイプを使用したCDプレーヤー(日本製ではマランツブランド)は中古でも人気があります。
でも生産中止から結構経つので状態のいいものは少なくなってきているはずです。
合わせてDAコンバーターもフィリップス製は人気が高いです。
DAコンバーターについてはまた改めて。
私が愛用(「酷使」とも言う!?)しているのは英国製MERIDIAN207という機種です。
このCDプレーヤーちょっと面白くて、ドライブメカを収めたトランスポート部とコントロールキーのあるコントローラー部の2つに別れていて、横に並べても縦に積み上げても使用できます。
両者は専用の25ピンケーブルで接続します。
他に面白いのは、ボリューム機能やライン、テープ入出力端子などが付いています。(後期型はオプションのモジュール追加でなんとレコードも聴ける!!)
もうひとつ面白いのは生産途中でDAコンバーターを14ビットから16ビットに変更して機能や構成も一部変わっているのに型番は同じままでした。(見た目はほとんど変わりません)
16ビットではさらにピックアップも途中から変更になっています。
今ウチにはこのCDプレーヤーが4台あります。(1台は譲渡予定で入院中。他に少し前まで206という機種も持っていました)
1号機 : 16ビット ドライブメカ不調 CDM2後期型
2号機 : 16ビット 譲渡予定で入院中 16ビット CDM2前期型
3?号機 : 16ビット ドライブメカ多少不調 CDM2後期型
4?号機 : 14ビット ドライブメカ少々不調 CDM2初期型
5?号機 : 16ビット ドライブメカ好調? CDM2初期型 予備 常に電源ONで待機中。表面ガラスパネル欠けあり
4?号機は14ビット1台のみなのでそのまま使っていますが、もう一組使用している16ビットの方は、分離型であることを生かして、3号機のドライブメカ+1号機のコントローラーという変則的な組み合わせで使っています。
これは、1号機のドライブメカは(途中2回総点検しましたが)15年位使いまくったので読み取りしなくなってきたため、同じタイプである3号機のドライブメカを組合せているのです。
「だったら3号機をそのまま使えばいい」と言われそうです。
実は1号機のコントローラー部に入っているDAコンバーターをグレードの高いもの(TDA1541ダブルクラウン!!)に交換したり、デジタルフィルターも好みのタイプに交換したり、端子や内部の配線や部品交換などのチューニングをしているのでこれを生かしているわけです。(3号機のはノーマルのままです)
5号機のメカの方が調子が良さそうなのはわかっているのですが、ピックアップが前期型なのとフロントパネルのガラスの欠けが気になります。
というのも前期型のピックアップは後期型に比べて重いこと、同じフェースが3台並ぶのでキズありはちょっと気になるのと、子供が触ると危ないというのもあります。
おそらくこれを読まれた方は「なんでそんなに持っているの?」と思われるでしょう。(実は他にも別な機種数種類を5~6台持っていたりします。定価ベースでは月面車以上か?)
これは「もう部品がなく(通常では)修理ができない」ので、部品取りとして、また予備機として集めた(集めまくった!?)からに他なりません。
なにしろ今から15年以上前の製品です。修理しようと思ってももう部品はありません。
メカニズムはとっくに生産は終わっています。代替機種もありません。
他の部品も調達は難しく、いわゆる「2個イチ(2個を組合せて1個を作る)」しか道がないのです。
こうなると「なんでそこまでこだわるのか?」という声が聞こえてきそうですが、それはもちろん「気に入っているから」です。
ちょっと聴いただけでは驚きはないかもしれないけれど背伸びしていない音、古びないまた一目でわかるデザイン、当時としては(もしかするとシリーズで使用するとなると今でも?)先進的な機能、コンパクトなこと、部品交換でグレードアップが可能なこと(通常はできませんが)...
...なんだかどこかのクルマの特徴に似ていますねぇ。
もうひとつ、これを使っている理由があります。
実は私は...以前輸入代理店にいたのです。
国内用マニュアルを作ったのも私です。(買っていただいた方でマニュアルがわかりにくかったという方がいたらゴメンなさい!)
一応本国の開発者も知っています。
はじめて音を聴いた時は「音楽が(気持ち良く)鳴るんだなぁ」と思いました。
意地になっているわけではありませんが、何度か会った開発者の人となりが(出てくる音を含めて)製品に滲み出ているように感じるのです。
機械だけどその人の分身のようにも思えるし、音も製品の存在感も「人間味」を感じるからなのです。
ますますどこかのクルマに似ているなぁ。
裏話もいろいろあります。
中には「日本製だったら、これはないだろ~っ!」っていうのもありました。
でもダメなところは直せばいいわけです。きちんと機能するように。
あっ!言っちゃった。
でも耐久性とか部品の品質とか機構的な作りとか...
ホントにどこかの国のクルマに良く似ていますよぉ~。
なので多少の少しくらいの事は気にしません。
クルマもオーディオ機器も。でもどちらもあまりお金は掛かって欲しくないです。
だけど、その機械の果たす本来の役割がすばらしいから、私はそこにホレたような気がします。
皆さんはいかがでしょうか?
どれも同じに見えますよね~。
違いはちょっと見えているメカの成形品の色とピックアップの停止位置くらい。
実際1枚目と2枚目はほとんど同じ物で後期型に使用されているもの、3枚目は前期型に使用されているものです。
このような状態なので、ピックアップが丸見えどころかさわることさえできます。(もちろんさわってはいけません)
心得のある人ならピックアップのレンズのクリーニングも簡単にできます。(これがまた結構汚れが取れるし、音が結構変わったりします)
多くのピックアップは直線状に動くようになっていますが、これらは円弧状に動きます。
これを「スイングアーム式」といい、レコードプレーヤーのアームの動きをヒントに設計されたという、オランダのフィリップスのオリジナルです。
当時先進的な製品であるCDのピックアップに、古典となるレコードプレーヤーのアームの動きと同じ動きをするピックアップを開発するなんてシャレが効いているというか...。
この形式だと、ピックアップの位置の調整は、マグネットによって常に片方に引っ張られているので、もう片方に位置あわせのサーボをかけるだけで済みます。
直線状に動くタイプはモータなどでピックアップを動かしながら、常に両方向にサーボをかける必要が出てきます。この方式はモーターの振動の排除も問題で、リニアモーターを使ったり、ベルトドライブにしたり(これまた位置合わせの誤差に問題が出る)していました。
スイングアーム方式は、サーボをかけるポイントを減らして、位置合わせの自由度を上げたり、応答速度の向上を狙っているのだと思います。
ちなみにこのメカの場合、メカの傾きにも強いようです。おそらくアームとピックアップの2つにコイルによるサスペンションの働きがあるからだと思います。(通常のものは基本的に上下1つ)
スイングアームのタイプは全部で9種類程度はあると思いますが、途中から量産に対応するため樹脂製になったり、小型軽量化薄型化されています。
この形式で有名なのは「CDM1」という初期のもので、フレームはダイキャストでできています。
さらに初期型は「CDM0」でプレスした金属を組合せて作られていますが、こちらの方がマニアには希少価値があるようです。
これらは「振動を徹底的に排除する」という思想から開発されています。
ただしこれはメカのみに対してで「装置全体をガチガチに固める」という発想ではありません。
CDのフォーマットには信号のエラーを補正する機能がありますが、振動を排除することによって「エラー補正機能をできるだけ使わない」ようになっています。
これは元の信号をできるだけ忠実に変換し、補正されたデータをできるだけ使わないようにするという発想からです。
またレーザーのビームもほとんどがシングルビームで、大きな振動による読み取り不良には弱いのですが、スリービームに比べてかけるサーボが少なく、データ生成によるデータ補正(=データ補間:ニセの信号作り!!)も少なくなり、元の信号に一番近い形に変換するはずです。
なので、初期のCDプレーヤーの中では人気があったわけですが、音楽再生機として基本が優れているので、それがわかった人が多くいたという証明であり(雑誌の評価やクチコミを含む!?)、いまでもいい音のCDプレーヤーとして通用するのではないかと思います。
副産物として「音のいいディスクと音の悪いディスクを選り好みする」という効果もあったようです。
つまり録音の(できの)良くないディスクをかけると当然いい音がしない、録音の(できの)いいディスクをかけるととてもいい音楽を聴ける...
おそらく当時いい音だったディスクはいまでもそこそこの音質なのではないでしょうか。
今でもこれらのタイプを使用したCDプレーヤー(日本製ではマランツブランド)は中古でも人気があります。
でも生産中止から結構経つので状態のいいものは少なくなってきているはずです。
合わせてDAコンバーターもフィリップス製は人気が高いです。
DAコンバーターについてはまた改めて。
私が愛用(「酷使」とも言う!?)しているのは英国製MERIDIAN207という機種です。
このCDプレーヤーちょっと面白くて、ドライブメカを収めたトランスポート部とコントロールキーのあるコントローラー部の2つに別れていて、横に並べても縦に積み上げても使用できます。
両者は専用の25ピンケーブルで接続します。
他に面白いのは、ボリューム機能やライン、テープ入出力端子などが付いています。(後期型はオプションのモジュール追加でなんとレコードも聴ける!!)
もうひとつ面白いのは生産途中でDAコンバーターを14ビットから16ビットに変更して機能や構成も一部変わっているのに型番は同じままでした。(見た目はほとんど変わりません)
16ビットではさらにピックアップも途中から変更になっています。
今ウチにはこのCDプレーヤーが4台あります。(1台は譲渡予定で入院中。他に少し前まで206という機種も持っていました)
1号機 : 16ビット ドライブメカ不調 CDM2後期型
2号機 : 16ビット 譲渡予定で入院中 16ビット CDM2前期型
3?号機 : 16ビット ドライブメカ多少不調 CDM2後期型
4?号機 : 14ビット ドライブメカ少々不調 CDM2初期型
5?号機 : 16ビット ドライブメカ好調? CDM2初期型 予備 常に電源ONで待機中。表面ガラスパネル欠けあり
4?号機は14ビット1台のみなのでそのまま使っていますが、もう一組使用している16ビットの方は、分離型であることを生かして、3号機のドライブメカ+1号機のコントローラーという変則的な組み合わせで使っています。
これは、1号機のドライブメカは(途中2回総点検しましたが)15年位使いまくったので読み取りしなくなってきたため、同じタイプである3号機のドライブメカを組合せているのです。
「だったら3号機をそのまま使えばいい」と言われそうです。
実は1号機のコントローラー部に入っているDAコンバーターをグレードの高いもの(TDA1541ダブルクラウン!!)に交換したり、デジタルフィルターも好みのタイプに交換したり、端子や内部の配線や部品交換などのチューニングをしているのでこれを生かしているわけです。(3号機のはノーマルのままです)
5号機のメカの方が調子が良さそうなのはわかっているのですが、ピックアップが前期型なのとフロントパネルのガラスの欠けが気になります。
というのも前期型のピックアップは後期型に比べて重いこと、同じフェースが3台並ぶのでキズありはちょっと気になるのと、子供が触ると危ないというのもあります。
おそらくこれを読まれた方は「なんでそんなに持っているの?」と思われるでしょう。(実は他にも別な機種数種類を5~6台持っていたりします。定価ベースでは月面車以上か?)
これは「もう部品がなく(通常では)修理ができない」ので、部品取りとして、また予備機として集めた(集めまくった!?)からに他なりません。
なにしろ今から15年以上前の製品です。修理しようと思ってももう部品はありません。
メカニズムはとっくに生産は終わっています。代替機種もありません。
他の部品も調達は難しく、いわゆる「2個イチ(2個を組合せて1個を作る)」しか道がないのです。
こうなると「なんでそこまでこだわるのか?」という声が聞こえてきそうですが、それはもちろん「気に入っているから」です。
ちょっと聴いただけでは驚きはないかもしれないけれど背伸びしていない音、古びないまた一目でわかるデザイン、当時としては(もしかするとシリーズで使用するとなると今でも?)先進的な機能、コンパクトなこと、部品交換でグレードアップが可能なこと(通常はできませんが)...
...なんだかどこかのクルマの特徴に似ていますねぇ。
もうひとつ、これを使っている理由があります。
実は私は...以前輸入代理店にいたのです。
国内用マニュアルを作ったのも私です。(買っていただいた方でマニュアルがわかりにくかったという方がいたらゴメンなさい!)
一応本国の開発者も知っています。
はじめて音を聴いた時は「音楽が(気持ち良く)鳴るんだなぁ」と思いました。
意地になっているわけではありませんが、何度か会った開発者の人となりが(出てくる音を含めて)製品に滲み出ているように感じるのです。
機械だけどその人の分身のようにも思えるし、音も製品の存在感も「人間味」を感じるからなのです。
ますますどこかのクルマに似ているなぁ。
裏話もいろいろあります。
中には「日本製だったら、これはないだろ~っ!」っていうのもありました。
でもダメなところは直せばいいわけです。きちんと機能するように。
あっ!言っちゃった。
でも耐久性とか部品の品質とか機構的な作りとか...
ホントにどこかの国のクルマに良く似ていますよぉ~。
なので多少の少しくらいの事は気にしません。
クルマもオーディオ機器も。でもどちらもあまりお金は掛かって欲しくないです。
だけど、その機械の果たす本来の役割がすばらしいから、私はそこにホレたような気がします。
皆さんはいかがでしょうか?
壊れた時のことを思うと次の選択肢にこまりますね。
やっぱり車と同じだ(笑)
取説はねぇ~ “わかりにくい” ですっ!(爆)
なんてね。アレは説明しにくいですよね。