相当久しぶりですが、私の愛聴盤です。
前回に続いて、またまたラルフ・マクドナルドのアルバムです。

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RALPH MACDONALD/COUNTERPOINT VAM VACM-1014 1995

このアルバムは3枚目のソロアルバムです。
2枚目までとはかなりイメージが違うジャケットで(この写真当時の年齢がおそらく30代半ば!)さらに内容も過去の2枚とはちょっと違っていて、雑多な都会の午後を表現したような雰囲気があります。
もちろんラルフサウンドそのものであることは変わりがありませんが。

参加ミュージシャンですが、これまた東海岸の職人さん達ばかり。(これまたどのアルバムも基本的に一緒なんですけどね!)

STEVE GADD
HARVEY MASON
ERIC GALE
WILL LEE
RICHARD TEE
GROVER WASHINGTON,JR
TOM SCOTT他

ホーンセクションにはブレッカー・ブラザース、デビッド・サンボーン、ロニー・キューバー、ジョン・ファディスなどもクレジットされています。

このアルバムの雰囲気は雑踏とちょっと上品という違いはあるのですが、RICHARD TEEの「NATURAL...」に似ています。
共通しているのは「暖かな晴れた午後」にのんびりと紅茶でも飲みながら...と言う感じ。
しかも録音されたのもほぼ同じような時期の1979~1980年。
録音した場所も同じ筈なのでたくさん録音して、各自のアルバムに振り分けたようなことも考えられます。
いや、あくまで想像なんですが、もしかするとちょっと...。
あっ!でも、プロデューサーが違うか...。

プレイキーを押して1曲目が始まると、なんとも重厚な感じのするドラムのリズムと印象的なパーカッションの音で始まり、これまた耳に残るエリック・ゲイルのギターがリズムを刻み、間に分け入るリズムピアノ...。
アルバムタイトルの「カウンターポイント」っていうのは「点を叩く」というか「点をつなぐ」というか、このリズムを聴いていると、早くも納得という感じがします。

1曲目はボーカルが入るのですが、雰囲気はいいけれど、ハッキリ言ってシングルカットは無理!
まあそんなことはどうでもいいのですが。

2曲目はストリングスがメロディーという珍しいアレンジの曲。
でもパーカッションの粒立ちが逆に目立つようにも思います。
シンセドラムが「この頃」を感じさせますが、とてもいい雰囲気の曲で、ドライブのバックには最適。
RICHARD TEEのピアノもいい気分ですが、この曲だけはドラムスがハーヴィー・メイソンです。
ずっと同じリズムで叩いているのシンバル?がまるで機械のようで印象的です。

4曲目はパーカッションのお祭りみたいな始まり方。
当時流行のディスコとカリプソをミックスした「ディスコリプソ」という曲名が面白いです。
他のアルバムにもこういったミックスな命名の曲が数曲あります。

面白いのは最後の「EAST DRY RIVER」
ホイッスルが入るのですが、このアレンジ?がなんとも好きで、次女がそばにいるときに、ホイッスルが鳴るタイミングでスピーカーを指差してみたらマネをするようになりました。もちろんゲラゲラ笑いながらやっています。見ているこちらも楽しいです。
スチールドラムの音もきれいです。

ほとんどの曲がリメイクになっていて、オリジナルアレンジのCDがたぶん発売されていないので、オリジナルはレコードで聴くことになります。

一生懸命作ったはずだけど、どこかリラックスしている雰囲気を感じさせるこのアルバム、ラルフのアルバムの中では一番BGM用に近い存在かもしれません。

このアルバムまでがどちらかというと「初期の3作」という感じです。
このあとは数年置いて2枚のアルバムを発表していますが、ここまでの3枚とはかなり違う作りです。と言っても基本は変わりようがないのですが、時代の流れに対してちょっと行き場を失っているような印象があります。
そして約10年後突然アルバムが発表され2~3年周期で5枚発売されています。
これらはさすがにキャリアを積んだラルフらしくいきいきとしたアルバムばかり。
そんなわけで「初期」「中期」「後期」という感じに分かれる印象があるのですが、「中期」はちょっと食い足りない感じがするので私が良く聴くのは「初期」と「後期」モノです。

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