14枚目はこれです。今回は「南部の雰囲気が濃いアルバム その3」。

ALLEN TOUSSAINT/MOTION WB 7599-26597-2 WE835 1978

9044a31f.jpg
このアルバムは7~8年位前、オーディオ仲間のハムさんの自宅に行った時にLPで聴かせてもらうまで聴いたことがありませんでした。
RICHARD TEEが参加しているので、ずっと前から探していた1枚でした。

聴かせてもらってからあらためてCD、LPを探しまくったのですが、なかなか手に入れられず、いい加減悔しい思いをしていましたが、ある時ハムさんの友人がCDを持っているということで、遠方から送っていただきCDRに焼いてもらいました。

ずっとこのCDRを聴いていましたがやはりオリジナルが欲しいのが人情です。
その後も事あるたびに探していましたが、昨年オークションに出品されていたのを発見し、即入札そして無事落札!こういうのって意外と安かったりするから不思議です。まあちょっと競り合いはしましたが。

ALLEN TOUSSAINTという人はERIC GALEのアルバムのプロデュースをしたことのある人だったので、「南部の濃さ」があるということで名前は知ってはいましたが、今でもこのアルバム以外は持っていません。

さて「南部の雰囲気が濃いアルバム その3」なんですが、これまた都会に出てきて職人ミュージシャン達と作ったというのは同じなんですが、作った場所が西海岸系でハリウッド。
ただしボーカルのみはニューオーリンズ!で録音。これがミソなんでしょうか。

参加ミュージシャンは、

JEFF PORCARO
CHUCK RAINEY
LARRY CARLTON
RICHARD TEE
PAULINHO DA COSTA
ETTA JAMES他

というわけでその1ともその2とも違うんですが、滲み出る雰囲気はやはり「南部」なんですね。
RICHARD TEEはNYから西海岸に行って、南部の雰囲気を作ったわけですからとりわけ面白いです。
こういう時って頭の中はどうなっているのでしょうか?
「曲に合わせて気分良くやるだけさ!」っていわれそうですが。

前回前々回紹介のアルバムに比べると、曲によってはですがかなりスマートな感じの作りのアルバムです。
それでも例の南部らしい雰囲気の曲がちりばめられています。

今は無きJEFF PORCAROがドラムで参加していますが、それほどポーカロらしさはないのですが、歌バンに徹している感じでいいです。
あまり聴くこともないし、アルバムも持っていないLARRY CARLTONは逆に私には「へェ~!いいなぁ」と思わせるプレイが多い気がします。

そしてRICHARD TEEですが、ALLEN TOUSSAINTがエレピを弾いており、クリジットにはACOUSTIC PIANOでクレジットされています。
確かに1曲目のイントロはTOUSSAINTらしいと思うし、RICARD TEEの雰囲気ではありません。RICHARD TEEはピアノで隠し味になっているという感じです。

4曲目のピアノを聴くとなぜかDR.JOHNのピアノを思い出します。なんだか似ているんですよね。

結構活躍しているなと思わせるのが7曲目「HAPPINESS」。これはリズムピアノっぽいのですが当り役です。
そしてこの曲のLARRY CARLTONがとてもプレイをしています。
しかし曲が短いのが難点。

全体的にこのアルバムもヒューマンな作りだったり、ちょっとラテンっぽかったりします。
なんだか不思議です。

というわけで「南部の雰囲気が濃いアルバム」3枚でしたが、これらはしょっちゅう聴くわけでなく、どれかを聴いたときに連鎖反応的に思い出してしまう3枚だったりします。
他のものを聴き飽きたときには(結構毒っ気の強い)清涼剤的なところ?!があります。

クレジットを見て改めて思うのは、これらのアルバムは、クロスオーバー(フュージョン)が流行り始めたこの頃だからこそ作れたアルバムではないかということです。
きっとこの時期から数年後、そして今でもこんなアルバムは生れ落ちることはないのではないのでしょうか。